気がつけばもう3月も半ばですがみなさまお元気でしょうか。
おかしいなあ先々週くらい正月だったくらいのノリなのになあ。
すいませんがあんまり時間が無いので前書きなしで今週のFunk 裏 Recommendの補足コーナーいきます。
今週はファンクじゃなくって、ジャンルで言うとなんでしょうね、ジャズの敷地のかなり端っこの方で細々とやってるひと、ソウルとの境界線がすぐそこでたまの買い出しはソウルの方の市場行ったりします、ええダンナはソウルのひとですけど連れ子の娘にもよくしてくれて助かってます、という感じのひとでしょうか。
こういうアルバムをCD屋さんに探しにいったときにはジャズなんかソウルなんかどっちにおいてあるのか分からん感じですね。
1曲目はこんな感じです。
いわゆるキラーチューンな踊れる名曲です。
僕がCD屋さんの店員やったらこんな感じのキャッチつけるでしょうか。
“アップリフティングなサンバ・ビートにのった男女コーラスが永遠の世界愛を歌い上げる高揚感溢れるスピリチュアル・ジャズ・ダンサー”
ふむ。われながらその薄っぺらさに愕然としますが。
しゃばしゃばのカレー並みに薄いですね。
まあこういう仕事しているとこういう文句がしゃばっと出てくるようになるのです。
Sons And Daughters Of Lite - Let The Sunshine In
スピリチュアル・ジャズ・ダンサーと書きましたが、スピリチュアルってなんやねんな話をしておきます。
スピリチュアル・ジャズっていうのは90年代末頃からレア・グルーヴやクラブ・ジャズ・リスナーの間でキーワードになってきた言葉なんですけど、ざっくりいえば60年代の公民権運動とかその他さまざまの社会的な動きを経て、より自身のアイデンティティに自覚的になったアメリカの黒人ミュージシャンたちが社会的なメッセージやアフリカ回帰のアティテュードなんかを音楽に織り込みはじめたのをそういいます。
難しい言葉使うてますけどだいたい受け売りです。
Impulse!期のファラオ・サンダースとか独立系黒人ジャズ・レーベルであったStrata EastとかBlack Jazzの音源とかはモロにそういう感じで、背景にコルトレーンの存在を感じる作品が多いこと、コマーシャルな作品は少なく何らかのメッセージ性が含まれている、というのも特徴です。
“ドロドロ・ジャズ”って言う人もいるくらい重厚なモード〜フリー・ジャズ系の作品もあれば、今回みたいにかなりソウル〜ファンク寄りなのもあって、最近では黒人以外の作品もスピリチュアルって表現されることも多いですね。
この曲はアフリカ音楽とファンク色が濃厚です。
Sons And Daughters Of Lite - Darkuman Junktion
はい。他にもYouTubeで聴けますのでぜひググってみてください。
スピリチュアル・ジャズ的な現行のバンドをいくつか紹介すると、まずはLAのビルド・アン・アークが有名です。
ずっと前に裏 Recommendコラムでも紹介したシカゴのファンク・バンド、ザ・ファラオズにいたパーカッションのデーフ・レクロウとか、デトロイトのスピリチュアル・ジャズ・レーベル、Tribeにいたトロンボーンのフィル・ラネリンとか、その筋のヴェテランたちも参加しています。
Build An Ark - You've Gotta Have Freedom
この曲はファラオ・サンダースのカヴァーですね。
ピアノがフェンダーローズなのが現代的。
次は去年デビューしたイギリスのバンド。
ジャズ・ファンク的でシビレル。
The Greg Foat Group - Bright is the sun
グレッグ・フォートさんはイギリスの白人で、いわゆる“スピリチュアル”なメッセージ性とは無縁な人なんですけど、スピリチュアル的なエッセンスをうまく自分の音楽に活かしている気がします。
グレッグ・フォートさんはこの曲が最高にナイーヴで叙情的な感じでよかったです。
The Greg Foat Group - Dark Is The Sun (part 1 main theme)
こうなるとスピリチュアルな土台にローカルな影響、ブリティッシュ・ロックとかフォークとかいわゆるシューゲイザー的な閉塞感、などなどのエッセンスがブレンドされてて独自性が高い。
強烈なイギリスくささ、みたいなものさえ感じて立派です。
イギリスではノスタルジア77もおすすめです。
Nostalgia 77 - The Funeral
この人なんかはもはやスピリチュアルではないのかもしれませんけど、ドン・レンデル=イアン・カーの時代からマイク・ウエストブルックとかに続くプログレッシヴなブリティッシュ・ジャズの雰囲気(個人的には暗くて深い森をのイメージ)をモロに継承してる現代のクリエイターです。
日本からもこういう風に世界中で聴いてもらえるような、ローカル・エッセンスを取り入れたスピリチュアルなバンド、って言うのが登場すればいいな、と思ったのでした。
では今日はこの辺で。
後半真面目な感じになってしまった。
また頑張りますね。
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